屋根裏の排熱・除湿を目的とし、台所用換気扇を流用しDIYした屋根裏換気システムを紹介

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屋根裏換気扇設置 2010年7月

増設ダクト制作へ
排気ダクト増設 2011年7月

屋根裏の排熱と除湿によって家は長持ちする

カラーベスト屋根 カラーベスト(平らな瓦)の我が家の屋根は一般の瓦屋根とはいろんな面で異なりメリット(利点)もあれば、デメリット(欠点)もあります。
 その中で、今回は特別な工事を施すことなく屋根裏換気扇を設置することによって、屋根裏にこもってしまう熱を吸い出す(排熱・除湿)ために行った設置方法(DIY)を紹介します。
メリットとデメリット(瓦vsカラーベスト)

瓦↓ ↓カラーベスト
価格 カラーベストが安い
寿命 値段が高い分、寿命はが長い。 ものによっては100年は大丈夫とか... 家そのものより長持ちしますね。
メンテナンス カラーベストは10~15年毎に塗装が必要と言われます。
は必要なし。
耐震 カラーベストが軽い
阪神大震災時は多くの
屋根の日本家屋が倒壊したと言われます。
遮熱 屋根裏は真夏、50℃を越えるそうです。
カラーベストに比べ屋根は5~10℃低いと言われます。

 瓦の載せ方を屋根上部から見ると下図のようになるわけですが、瓦桟木に引っ掛け湾曲した瓦同士を重ねると、空間(屋根との隙間)ができるのが分かります。 さらに瓦の下部は下の瓦の上に乗るように取り付けるわけですから、瓦は屋根に直接触れません。
 これに比べてカラーベストは、ほぼ平らな上に瓦とは異なり
瓦桟木がないので、屋根に直に固定することになり空間は殆どといっていいほど存在しません。

屋根瓦の載せ方
 このような理由から、瓦屋根に比べてカラーベストの屋根裏には日中熱がこもりやすくなるのだと思います。(しかし、瓦は熱の保持力が高いので、日没後は逆転するかもしれません)

 瓦屋根ではあまり見かけないでしょうけど、我が家の軒下には1階・2階合わせて15個の換気口が取り付けられています。

ある程度風が吹いていれば空気の流れもできるのでしょうが、無風状態ですと屋根裏の熱はほとんどそこに留まり、換気口の効果はあまりありません。(それなりの
煙突効果はあるでしょうけど)
換気口

呼吸する木材 木材も呼吸をしていて、人がサウナに入ると汗が出るように木材も過度の高温にさらされると、持っている水分が失われてしまい強度面・寿命共によくありません。 また過度の湿気も同様で、カビ・シロアリ・結露発生の要因も追加されます。

 
ようやく手に入れた我が家ですから、少しでも寿命を延ばして大事にしていこうということ、そしてエアコン・扇風機なしでも室内を快適にしてエコロジーな生活ができるように排熱・除湿を目的として、今回の屋根裏換気扇の設置となりました。(2024/4月も稼働中

天井への穴あけから排気ダクト設置までの作業工程

換気扇設置 二階の屋根裏に潜り込んで、北側のベランダの天井に縦横20cmの排気用の穴を開けました。
周辺に付いているシミは管理人の汗です。 曇りの日をねらって作業したのですが、
屋根裏は35℃以上あったと思います。

以前買った台所用換気扇(1,680円)が余っていたので、それを屋根裏用換気扇として開けた穴に固定せずに設置しました。
決して、下向き(屋根裏に外気を送り込む)に取り付けてはいけません。 屋根裏から押入れやらの隙間を介して部屋に熱風が吹き出すことになり
逆効果になることもあります。
防虫ネット設置 ベランダから見ると、こんな感じです。
電気工事士でもある管理人は室内にて
スイッチでon/offできるコンセント(余り物)を換気扇のコードが届く所に設置。
虫やら蜂が入り込まないように、ネット(プランターの底網:余り物)を付けて完了。
排気ダクト制作 ダイソーで買った針金を螺旋状にして、それに使い古しのブルーシートを蒔きつけてダクトを自作(DIY)。
(直径24~25cmくらいで、ほぼ羽根の径と同じ。 長さ1.8m)
換気扇の真上に浮かせて置けるように、園芸用の支柱で土台を組立て。(全部で200円)
このクラスの排気ダクトを実際に
購入すれば、3,000円以上はすると思います。
 (屋根裏換気扇の設置を
専門業者に依頼すると、50,000円~というサイトを見たことがあります。 相当お安くできあがりました)
排気ダクトを換気扇の上へ 換気扇全体を覆ってしまうと、天井近くに溜まる湿気を排気できなくなくなるので、多少隙間ができるように設置しています。
 屋根のてっぺん近くの熱と半分くらいづつ吸い出せればと考えています。
排気ダクトを屋根上部へ 換気扇を動作させて、吸い込み具合を確認。
音はほとんど聞こえません。 夕方止め忘れるくらいですから...
取り付け方も上々で、一応機能しているみたいです。

快晴の時に、屋根裏がどれくらいまで温度が上がり、強制換気することによる効果を調査したいと思います。
 ベランダ側にダクト増設
増設排気ダクトの枠制作 排気をベランダの外にできるように、換気扇から先にダクトを増設しました。

まずは換気扇の羽よりちょい大きめの
26cm角の箱型を2個用意。
枠を連結 上部を蝶番で連結し、100度くらいの角度で固定。 下部を園芸用の支柱で品良くアールをつけました。
グリルガードの貼り付け グリルガードを貼り付け、タッカーで固定。
ベランダ天井に設置 ダクトは台風や冬場に取り外せるよう脱着式にしました。
(はずした所にはフタをする予定)
外から見た増設ダクト ベランダは西日が厳しいので遮光ネット(すだれより効果大)を張っていて、その隙間から顔を覗かせているのがダクト出口。

一応防水対策はしてありますが、念のため現状は出口上部に
雨避けのツバが付けてあります。

屋根裏換気扇の能力を計算してみましたが、4分間の運転で屋根裏全体の空気を入れ替える能力があることが分かりました。(排気口にネットを付けているので、本来の性能の60%くらいで計算しました)

換気システム 図解

屋根裏換気により夏場の室温低減させ、木材の保護の効果もあります

 
    天井に断熱材を敷き詰めると、さらに効果を発揮します。
   
 断熱材有無で天井に5.8℃の差 「我が家のエコロジー⑥ 天井&窓断熱」参照。

 設置当初
ダクト無しでやっていたのですが、排熱効率がかなり悪い(排気温度が3℃下がる)ことが分かっています。 (天井と屋根上部では3℃以上の差があるようです)
 やはり、屋根上部の高熱を効率良く排熱できるように排気ダクトを付けるか、換気扇そのものをなるべく高い位置に設置する必要があるようです。
(但し、後者だと熱のダメージを直接受けて、換気扇そのものが壊れる可能性があります)


 屋根裏と2Fの部屋の温度を計測した結果が以下のグラフです。

換気扇有無の屋根裏と部屋の温度

 一応、天気・気温にあまり差のない日を選んで実験しました。 「湯温」とは太陽熱温水器の最高湯温のことで、66℃ということで屋根には同じくらいの熱量が加わったと思われます。
 最高湯温は72℃なので、無風で絶好調の時は、やはり屋根裏は50℃近くに達すると思います。

 日中の屋根裏温度ですが、せめて40℃を切ることを期待していたのですが、やはり
カラーベストは屋根に伝える熱が相当なもので、41℃の熱を排気し続けてもそれ以上下がりませんでした。
 熱の伝わりにくい瓦屋根だったら、35℃くらいまでは下がるんじゃないかと思います。

 -> 設置してみて言えることですが、換気扇を運転し続けても室内は天井から41℃近い熱を受け続けるということになります。(あまり大きな効果が得られません) 
 我が家では「天井断熱」もDIYしていて、これで屋根裏からの熱を伝えにくくしており
天井温度は室温+0.2~0.5℃程度に抑えられています。 屋根裏換気扇の設置を考えているが、天井に断熱材がないという方は、先にこちらを優先することをお勧めします。(両方が理想)

 断熱材は日没後も日中の熱を保持し続けています。 断熱材を分厚いものにする、あるいは二重にすることで断熱効果を上げることもできますが、同時に熱の保持力も大きくなります。 日中は室内に熱を伝えにくくしますが、夜はその逆です。 外は涼しくなったのに室内が暑いままといった原因の一つともいえるでしょう。 断熱材が保持した熱を早く逃がしてあげることも大事です。
 
日中は、「天井断熱」で室内の温度上昇を抑え
 
日没後、「屋根裏換気扇」で屋根裏と断熱材の熱を屋外に排出(日中は停止)
して、室温を早く下げるようにしているのが、現状です。 -2014.07.26-


 日中の室内はほぼ外気温と同じで、換気なしの日はやや強めの風もあり1℃上がるくらいでした。 無風状態であれば、屋根裏・室内共にもっと上がったと思います。
 
効果を発揮(実感)したのは、やはり就寝時でした。 たかが1~2℃と思われるでしょうが、この差は大きく快眠には効果を発揮してくれていると感じています。
 熱の保持力の大きい瓦屋根であれば、もっと効果は大きいと思います。

 以前は就寝時、幾度か扇風機を使用していましたが、設置後は
日没後の排熱効果もあってほとんど使っていません。(エアコンはありません)

上記換気扇の効果ですが、
■屋根瓦の材質 ■屋根の形状 ■換気口の位置やその数 ■換気扇の取り付け方 などなど、いろいろな条件によってその効果は左右されると思います。 決して同じ効果が得られるとは限らず、もっと良い効果が発揮できるかもしれないし、思ったほどの効果が上げられないかもしれません。 (参考程度にされてください)
OHM電機製 台所用換気扇
型名 : VN-25
風量 : 857m3/h
騒音 : 37dB
羽径 : 25cm
温度ヒューズ付
消費電力 : 27W(約0.5円/h)

購入価格 : 1680円
手作り(DIY)ダクト : 200円
増設ダクト : 800円
設置費用 : 0円
安価で効果を発揮できています。

取説には、羽を下にした状態で天井に設置しないように! と記載されていましたが、上向きなのでよしとしました。 良くないかも...
(使用上の注意を守りましょう!)



観測地点:都城市



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